このガイドの対象者
通販サイトや自社オンラインショップの運営者、商品登録担当者、メーカーの販促担当者、海外向け原稿を日本語化する翻訳・編集担当者向けです。特に、仕入れ先の説明をそのまま転載できない場合や、複数商品の文体を統一しながら違いを明確にしたい場合に役立ちます。
1.日本語として整える前に、変更できない情報を分ける
最初に、商品名、型番、素材、寸法、重量、容量、入数、対応機種、付属品、発売日、保証条件を原稿から抜き出します。これらは文章の飾りではなく、購入判断の根拠です。「約」「最大」「本体のみ」「使用条件による」などの限定表現も一緒に保持してください。例えば「約300g」を「300g」にするだけでも、計測値の確かさが変わってしまいます。
確認には、その商品の仕様書、取扱説明書、パッケージ表示などを使い、型番や資料の版が一致しているかを確かめます。情報が食い違う場合は、読みやすい方を選ぶのではなく、商品担当者に確認します。不明な素材や適合条件を、同じシリーズの別商品から補ってはいけません。試験結果や調査に出典がある原稿では、出典名、対象、条件、注記と主張の対応を保ちます。
書き換えを依頼するときは、「日本語の通販向けに、です・ます調で整理。仕様、数値、日付、注意事項、出典は変更しない。根拠のない性能や使用場面は追加しない」と指定すると、編集範囲が明確になります。標準モードでも事実確認を任せきりにせず、出力と元資料の差分を人が確認しましょう。
2.特徴を並べるだけでなく、選ぶための順序にする
日本語の商品ページでは、冒頭で商品の種類と主な用途を示し、その後に特徴、仕様、使用上の注意を置くと内容を追いやすくなります。例えば収納用品なら「どこで何を整理するものか」を先に伝え、外寸や耐荷重を比較しやすい位置に置きます。ただし、外寸から収納可能な物の大きさを推測してはいけません。内寸が不明なら、収まると断言せず確認が必要な情報として残します。
「あなたの日常を革新します」「上質なライフスタイルを実現」のような表現は、買い手が商品を選ぶ材料になりにくい言葉です。取り外せる仕切り、洗濯機での洗濯可、接続端子の種類など、確認できる特徴に置き換えます。利点を書く場合も、「綿100%だから肌トラブルを防げる」のように素材から効果へ飛躍せず、仕様が直接支える範囲にとどめてください。
海外原稿の「プレミアム」「パワフル」をすべて残す必要はありません。一方、専門用語を消しすぎると比較が難しくなります。接続規格や素材名は維持し、必要なら短い説明を添えます。「です・ます調」と体言止めは用途に応じて使い分け、本文は読みやすく、仕様欄は簡潔に整えましょう。
3.検索語と販売上の注意を、読みやすさと両立させる
検索を意識する場合も、「収納ボックス おしゃれ 人気 おすすめ」のような語句の詰め込みは避けます。商品名や見出しに商品カテゴリと実際の特徴を入れ、本文ではその意味を説明します。例えば「綿100%の長袖Tシャツ」は、素材と形状が事実なら自然な検索表現です。確認できない「日本製」や、裏付けのない「売上No.1」を検索対策のために足してはいけません。
注意事項は、文章を短くするために削りやすい部分ですが、誤購入を防ぐ重要な情報です。別売品が必要な場合は使用説明の近くに、サイズ選びの注意は寸法表の近くに配置します。価格、在庫、配送予定、キャンペーン終了日は更新されやすいため、説明本文に固定する必要があるかを検討し、記載する場合は公開時点で確認してください。
公開前は、まず商品を知らない人のつもりで読み、何が含まれるか、何に使えるか、何ができないかを説明できるか確認します。次に元資料と照合し、数値、単位、条件、否定表現を点検します。健康食品、化粧品、医療関連商品などは、自然な言い換えでも効能の意味が変わることがあります。薬機法や景品表示法など、商品と表示内容に関係する規制について、必要に応じて専門担当者の確認を受けましょう。